洞田創研究室

洞田創(とだはじめ)のブログです。只今、スケジュール的な問題で浮世絵(風イラスト)の作成依頼の受け付けは停止しています。ご迷惑をおかけしております。その他、ご用のある方はhajime_toda☆yahoo.co.jpまでご連絡ください。(☆を@にしてください)

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浮世絵

浮世絵小豆磐(あずきバー) 19C東京

今回ご紹介するのは、連作浮世絵『古今菓子之内』の中の一つ、「小豆磐(アズキバン)」である。これは、古今の菓子の紹介するという浮世絵のシリーズであり、「小豆磐」というのは、小豆を冷やし固めてつくった、江戸時代の夏の定番菓子のことである。さて、こ…

遊べる!浮世絵デッサン人形 21C 館林

本日紹介するのは、浮世絵「起里合代算人形(キリアワセダイサンニンギョウ)」(文化八年 1811)である。 これは、玩具絵(オモチャエ)の一つで、これを切り離して組み立て、人形を作るものであるが、他の物が子供用の玩具であるのに対し、これは大人、特に絵師が使う物であっ…

肖像画『伝小田萌豚肖像(デンオタノホウトンショウゾウ)』 日本大阪 22C

今回ご紹介するのは、『伝小田萌豚肖像(デンオタノホウトンショウゾウ)』(草明寺所蔵)である。これは、「萌道」の大成者小田萌豚(おたほうとん) の肖像画であり、萌道は二十世紀末に誕生した「萌え」の概念を、「詫び寂び」と並ぶ芸術価値にまで昇華させたものであ…

ベース・マガジン様のトビラ絵を描かせて頂きました。

ご報告です。 本日発売の、ベース・マガジン様の5月号の特集「GIRL'S MOVEMENT HAS COME!!!」のトビラ絵を描かせて頂きました。 BASS MAGAZINE (ベース マガジン) 2015年 5月号 [雑誌] 作者: ベース・マガジン編集部 出版社/メーカー: リットーミュージック…

制作過程のようなもの(版下絵)

先週は更新できずじまいで誠に申し訳ありません。 さて、このブログにおけるネタ絵の芸風(「現代の事物が過去に描かれていた」というスタンス:タグ研究及び成果物参照)からすると、制作過程のモノを出すと矛盾が生じるのですが、この際気にせずに出してみ…

『うろ覚え草紙』より冬至に老神を迎へること(うろ覚え草紙紹介)

皆さま、クリスマスイブですが、いかがお過ごしでしょうか。館林大学の私の講義では当然補講をぶち込みました。当たり前です。 ただ、去年は、講義後に研究室に戻ってみると「誅」とただ一文字書かれた、それは綺麗にデコられたクリスマスカードがドアに挟ま…

浮世絵『小田好流行肝(オタコノミハヤリノキモ)』より「枕女房(マクラニョウボウ)」 19c 東京 (抱き枕カバー)

今回ご紹介するのは、連作浮世絵『小田好流行肝(オタコノミハヤリノキモ)』より「枕女房(マクラニョウボウ)」である。このシリーズは、風変わりな流行を取り上げるという趣旨のものであり、枕女房とは、絵と文を読む限り、現代の抱き枕に近いものであると考えられている。…

浮世絵『大日本奇奇傳(だいにっ ぽんきき でん)』より「無垢ノ介猩猩に化けて山中の賊を捕らふ」 19c 東京

目を細めて、ちょっと離れて見ると良いのですぞ。 今回ご紹介するのは、連作浮世絵『大日本奇奇傳(だいにっぽんききでん)』のうち、「無垢ノ介(むくのすけ)猩猩(しょうじょう)に化けて山中の賊を捕らふ」ですぞ。 大日本奇奇伝は、キキ(聞き)、つま…

『うろ覚え草紙』より「南瓜祭(なんかまつり)」(うろ覚え草紙紹介)

以下、『うろ覚え草紙』よりの転載です。 (口語訳) 九月(新暦十月)の晦日に、南瓜祭りを行う。鞴(ふいご)祭りではミカンを撒くが、南瓜(かぼちゃ)を撒いても子供たちは喜ばないため、代わりに菓子を包んだものを用意し、それを渡す。 この際、子供は…

『うろ覚え草紙』より二才病(ニセビョウ)

今回ご紹介するのは、『虚覚草紙(ウロオボエゾウシ)』より、「二才病(ニセビョウ)」である。『虚覚草紙』は、幕末の安政七年に出版された一種の予言書であり、未来に行ったと主張する絵師、歌川芳細(ウタガワヨシコマ)によって書かれたものである。さて、この「二才病」…

『うろ覚え草紙』より江戸流行「蘭手茶道(ランデノサドウ)」(『うろ覚え草紙』紹介)

(※文章は、『平成うろ覚え草紙』に掲載されているものと違います。) 本日は、『うろ覚え草紙』より「蘭手茶道」をご紹介します。これは、濃茶に獣乳を入れることにより、器の中に絵を描くというものですが、乳の跡で描くため「蘭手跡(ランデアト)」とも称さ…

【お知らせ】本が出ます。『平成うろ覚え草紙』

館林大学文学研究センター 洞田創です。 この度、地域文化研究の成果として、昭和四十六年に発見された郷土の貴重書『うろ覚え草紙』を現代語に訳した、『平成うろ覚え草紙』を飛鳥新社様より9月25日に出版いたします。 本書は、歴史学界に一石を投ずるもの…

浮世絵『鏡写当世婦人心裏(かがみうつしとうせいふじんのこころのうち)』 18C日本・東京

今回ご紹介するのは、浮世絵『鏡写当世婦人心裏(カガミウツシトウセイフジンノココロノウチ)』である。これ は、魔法の?鏡を当てるとその心が鏡に映って明らかになる、という趣向の物で、人の心の裡を覗くというのは趣味の良いものではないが、男も女も「異性が何 を考えて…

草双紙『野鼠の草紙(のねずみのそうし)』 19c日本・東京

(発表 2014.6) 今回ご紹介するのは、明治二年に刊行された『野鼠の草紙(ノネズミノソウシ)』である。これは、合巻形式の草双紙であるが、文明開化の影響か、紙を横長に使った点に特徴がある。なお、この『野鼠の草紙』の内容は「根津の国のかくれ里に住む山鼠、…

草双紙『新成九十九神 目出度白背(しんなりつくもがみめでたきしらせ)』より挿絵 19c日本・東京

(発表 2014.5)今回ご紹介するのは、『新成九十九神 目出度白背(シンナリツクモガミ メデタキシラセ)』である。これは、江戸後期に甲斐南楠(カイナンクス)によってかかれた草双紙(クサゾウシ)であり、本作はその一ページであるが、目を引くのは何といっても画面におさまり切ら…

浮世絵「外ヶ嶋鉄道館内蒸気車之図」 19c日本・東京

(発表 2013.9) 今回ご紹介するのは、「外ヶ嶋鉄道館内蒸気車之図(そとがしまてつどうかんないじょうきしゃのず)」である。鉄道館というのは現在の駅のことで、題名は、外ヶ嶋という駅の、駅内の蒸気機関車の図という意味である。この絵は元々3枚続きの…

『日日新報』(錦絵新聞)より記事「狐狸が新聞画工に弟子入り」 19C日本・東京

(発表 2012.5) 今回ご紹介するのは、明治初期の錦絵新聞「郵便日日新報」である。錦絵新聞は明治の初期に存在したジャーナリズムで、記事に錦絵(浮世絵)をつけたものである。扱う記事は事件やゴシップ・怪談奇談の類が多く、その点を考慮しても現代の写…

読本『倭久倭久先生酔夢譚(わくわくせんせいすいむたん)』より挿絵 18c日本・東京

(発表 2010.2)今回ご紹介するのは、江戸中期の読本「倭久倭久先生酔夢譚(わくわくせんせいすいむたん)」である。この物語は倭久倭久先生という発明家が船旅の途中、嵐 に巻き込まれて人外の住む島「胡呂利国(ごろりこく)」に漂着し、そこで持ち前の発…