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洞田創研究室

洞田創(とだはじめ)のブログです。只今、スケジュール的な問題で浮世絵(風イラスト)の作成依頼の受け付けは停止しています。ご迷惑をおかけしております。その他、ご用のある方はhajime_toda☆yahoo.co.jpまでご連絡ください。(☆を@にしてください)

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【お絵かき講座】キャラ絵の描き方基礎~第六回素体基礎Ⅳ頭部+α

キャラ絵の描き方基礎(頭の固い人向け)第六回 素体基礎Ⅳ~頭部+α

 素体基礎は、広文メソッドの素体(アタリ)の描き方をお伝えするものですが、最後の第四回は、頭部+αと称しまして、頭部(及び顔)の描き方と素体の一部の調整についてお伝えします。おっと、素体が何なのか分からない方については第二回の講義録をご覧ください。
それでは、さっそく始めていきます。

 

はじめに~頭部(と顔)の形

 今回描き足す頭部の形は、下図のようなものです。これまでの講義を聞かれた方は、「あれ?頭部の形が違うぞ?? 前は単に、ボール突き刺しただけだったろ?」とお思いになると思いますが、そこは申し訳ありません。。アタリと言えども、もうちょっと頭の形にしておいた方が良いだろうという事でこのバージョンにいたしました。

 ただ前提として、これはあくまで一つの形です。顔の形については、各自好みがありますので、「デブメガネの方法は好かん」という際には、ここは無視するか、好みのバランスに改良をしてください。

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頭部と顔の描き方

 まず、実際の制作の前に、偉大なる先人の話をいたします。アンドリュー・ルーミスというアメリカのアーティストの名前を聞いたことがありますでしょうか? 単に「ルーミス先生」と言った方が、通じが良いと思います。キャラクターイラストを描く界隈ではつとに有名で、全く優しくない『やさしい人物画』等で知っている方は多いと思います。なぜ、氏に言及したかと言えば、今回の頭部の描き方が、ルーミス式を踏襲しているからです。我々は、幾多の先人たちの切り開いた道の上に立っているのです。ありがたいですね。先人を古臭い絵柄、とか言ってバカにしてはいけないのです。

 

1 球を描き、十字を入れる

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 では、始めましょう。頭部を描くために、まずは球体を描きます。これは頭蓋骨の元になるもので、大きさはそれぞれ好みで良いのですが、とりあえずは第三回の胴体でやった胸郭の幅と同じ、としておきましょう。
 球を描いた後は、顔の真ん中(にしたいところ)に十字を入れます。この十字は顔のアタリによく使われているのでご存知の方も多いでしょうが、顔の真ん中を通る線と、真横に横切る線で出来ていて、目と、鼻、顎を描く時にガイドになるものです。

 なお、球面に沿わせるより、図のように緩いカーブにしておくと便利です。このカーブの緩さは球を縦回転させて、中央の皮を削った結果なのだというイメージを持っていただければと思います。となると頭頂部も後頭部もなだらかになっているはずですが、どうせ髪で隠れるので輪郭を描き変える必要は特にありません。
このように平坦にしてしまう訳は、目の配置の時に便利だからです。というのも、フィギュアなどは特にそうなのですが、アニメ・漫画風のキャラの顔は、球形というより平面に近いのです(多少角度はついてますけどね)。

 

 

2 側面を削る

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 次は側面を削ります。とはいえ、削ると言っても、側面に切り口の輪が描ければ、図のように不要な線を消すような必要はありませんし、そもそもこれはアタリですから、切り口を厳密に描く必要もありません。さらっと、それっぽい円が描ければそれでOKです。
 どのくらい削るか……ということですが、これも各人のお好みです。とはいえ、基準となる数値がないと不安な場合には、「切り口が、球の直径の半分~6割ぐらい」としておきましょう。例示では6割近くで描いていると思います(目分量なので正確には分かりません)。まあ、測りたい場合は見た目楕円になった側面円(切り口の輪)の、一番長い線を探し、それを球の直径と比べて下さればと思います。しかし、6割とはどうも中途半端な数値で申し訳ないです。半分よりちょっと大きい、ぐらいでよいでしょう。

 

 ちなみに、1で描いた十字の内の横線について、ルーミス式では、眉の線とされているのですが、目が大きいキャラを描く場合は、ここは目の上端近くになっている「場合」があります。(あくまで、キャラそれぞれですからね)そうそう。どうせなので、目印として目を描いて置きましょう。といっても、印のようなものですが、これがあると何かと便利ですよ。

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3 球に耳を付け、顔の形を形成する

 まずは、下図をご覧ください。こういった顔を描いていきます。

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では、これを実際に描くとなると、以下の手順となります

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 「なんで普通の描き順と全く逆から描いてるんだよ。。」とお思いでしょうが、これはあくまで説明しやすいというだけで、慣れていれば、どこから描かれても問題ありません。


 なお、二つ上で紹介しました平面(曲面)分割の顔について、以下に様々な角度からの図を作っておきました。これで、上の図が大体どのような考え方で描かれたか分かるかと思います。
とはいえ、天下のプリキュアEDの3Dですら、まだまだアニメ顔を360度どこから見ても成立する立体として再現することは困難ですから、無理な角度もあります。そこはご容赦ください。

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頭の配置場所


頭はこれでOKですね。今度は頭の配置場所についてです。これは第三回で描きました胴体の胸郭上面のど真ん中に棒を立てて、それを載せる。で、終わります。球に入っていない棒は首になります、つまり、首の長さは頭球の大きさに関係し、これが人それぞれ、キャラそれぞれですので、棒の長さの数値を申し上げにくいところです。図では胸幅より少し長いぐらいのようですが、ここは是非皆さんで試していただいて、自分に合うバランスを見つけて頂きたいと思います。

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 さて、まっすぐ棒を立てるとなりますと、「まてデブメガネ!! 首は斜めについていると本に書いてあるぞ!!」と、思った方がいると思います。首の骨は斜めに伸びて、そこに頭がついていますからその解釈は正しいのですが、下図の様に、実際はそこまででもありません。それに、これは初心者向けの描き方の講座ですし、まっすぐ据え付けたあと、輪郭を変えた方が分かりやすいのです

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 据え付けましたか? そしたら、球の中心から、胸郭背面の背骨に向かって線を引いておいてください(下左図)。おっと、この斜線は首の傾きではなく、肩を再現するものです。この素体は、傾斜した肩と、あまり傾斜しない首の二段仕立てになっています。さて、お次はこの斜線の頭球から出た部分の、三分の一あたりから肩の線を伸ばします。線の設置場所は胸郭背面のそれぞれの角です(下右図)。とはいえ、球から出た部分なんて正確に測れるものではありませんから、目分量となります。あるいは肩なんてキャラそれぞれですから、「肩を描いているんだ」と思いながら、線を引けば、もはや上の数値は気にしなくてよいでしょう。

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肩が出来たら、こんどこそ首の描写です。とはいえ、今回は簡易的な首の描き方ですが。。複雑な機構を持つモノは応用概論で説明していきます。

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さて、これで頭部のアタリは終わりました。
これからは、プラスアルファ、素体の調整についてです。

 

 


よりリアルな素体のために~素体の調整事始め

 さて、これからは、より人体に似せていくために、素体を調整するという内容です。ただ、実際にはこの調整に関しては、「やってもやらなくてもいいレベル」です。何せ、アタリなのでそこまで人体に似せなくていいのです。アタリを描いた後、鏡や資料を見ながら描くというのがまっとうな方法ですし、こういう方法もあるんだなぁ、ぐらいのつもりで聞いておいてください。

 

1 太ももの調整

 それでは、始めます。第三回の時に、脚の付け根の球は本来もっと手前についている、ということをお伝えしました。これについてはリアルな人体を描いてみましたので、人体と素体の違いをご確認ください。

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 OKでしょうか。後ろすぎる付け根球を前に出したい衝動に駆られるのですが、体に厚みがなくてなかなか難しく、それに現在の、膝、踝球との直列配置も捨てがたいものです。何せ、書くの楽ですからね。そこでちょっとした裏技を使います。「人体の太もも断面は楕円形なのに対し、素体は完全な円形」という相違点をちょいといじるだけでも、見た目にイイ感じになるのです。具体的には、球の一部を下図のような斜めの水滴形に成形することで、太ももを調整します。ニュアンスで自由に足パーツ配置し、複雑な輪郭線を描けるようになるまでは、これでいってみましょう。

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 このように調整するとなると、一見複雑に見えますが、実際の方法は意外なほど簡単です。

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調整の方法はこの角(井桁)を描くだけです。特にこれに関しては、高さや角度なんか目分量で、それっぽく書ければOKです。もちろん歪みますが、それでも成りたちます。そうはいっても、難しいのではないかとお思いの方、実はこの角(井桁)は、「骨盤の元、ズレ直方体(第三回でやりましたね)」の底面と同じ高さにあります。ええ。やろうと思えば、その底面をちょっと横にずらすだけで出来てしまうのです。……でも、そこまでする必要もないですが。


では、それを描いたとして、これがどのような効果をもたらすか、それは焼餅型素体の説明後に、ご説明しましょう。

 

2 焼餅型素体

 いきなり話は飛びますが、切り餅をご存知ですか? 関東の方は大体知っていると思うのですが、のし餅を直方体に切った餅です。想像してほしいのですが、あれを焼いていると、割れてプクッと膨れる前に、若干膨らんだ状態になります。あの「若干膨らんだ感」で素体を描くと、よりリアルに見えます。これを焼餅型素体と呼んでいるのです。

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では、実際に焼餅型素体を見てみましょう。ちなみに、このやり方、四角にしか適応されませんので、焼餅型になるのは胴体だけです。

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如何でしょうか。若干膨らまして描くだけで中々良い感じになりました。この描き方は、当然ながら、きちんと数値が取れずファジーになってしまうのですが、全体がそれっぽければ、数値なんてメチャクチャでいいのです
 ちなみに、この中で4ヶ所だけ、「膨らませて描く」という原則に例外を適応しているものがあります。それは、胸郭上面の前の角2つと、骨盤パーツの前の角2つです

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要は、「角を若干後ろに持って行く」というワンクッションがあった後、膨らませているのですね。描くのが難しい場合は、そのまま普通に膨らましてもかまいません。結局、誤差の範疇と言えばそれまでで、大した違いがないのです。


それから、分かりやすいようにこの4点を直線で再現した物も用意しておきました。……なんだか、本末転倒のような気もしますが。

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 ちなみに、図の説明にあるとおり、焼餅型素体に描かれていた胸の/\という線は、胸郭上面が膨らむことによってできる辺をかいていた、というわけですね。

 

 さて、お待たせしました。ここで1の太ももを調整した効果、というのをお見せいたしましょう。直線の方が、結果が分かりやすいですからね。骨盤の調整と相まって、以下のようになりました。

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 効果を正確に示すため、直線のみで描きました。主な効果としては、骨盤のパンツ型の下に、台形を導けるようになったことです。そのままだと、脚の付け根球が後ろに後ずさっているので、斜めから見るとてきめんにお腹が突き出ているように見えていましたが、骨盤の広さを示すことで、それが若干緩和されるわけです。


 ちなみに、脚にポーズがついた場合の描き方は、応用概論で説明いたします。

 

 さて、以上でプラスアルファの部分は終わりです。いかがでしたでしょうか。このような素体の調整に関して、実地の方が分かりやすいものについては、応用概論で適宜説明していきます。

 

次回は一度休講を挟み、30日からの再開となります。次の「応用概論Ⅰ」からは、実際にイラストを仕上げていく、という講義になっていきます。それでは、また、次の授業でお会いしましょう。