洞田創研究室

洞田創(とだはじめ)のブログです。只今、スケジュール的な問題で浮世絵(風イラスト)の作成依頼の受け付けは停止しています。ご迷惑をおかけしております。その他、ご用のある方はhajime_toda☆yahoo.co.jpまでご連絡ください。(☆を@にしてください)

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【お絵かき講座】キャラ絵の描き方基礎~第七回応用概論Ⅰ立ち絵

キャラ絵の描き方基礎(頭の固い人向け) 第七回 応用概論Ⅰ~立ち絵

 

 だんだんと梅雨の季節になってきましたね。紙は意外なほど水分を吸うので、アナログ派の方は苦手な季節かもしれません。

 

 先日は、臨時休講という事ですみませんでした。どうやら、3回で一ヶ月の容量を超えるようなのです。

 それから、6月中は更新が不安定になりますが、ご容赦ください。


 さて、前回までは、素体(アタリ)の描き方について、基礎編として動きのない「棒立ちポーズ」での描き方をお伝えしてきました。これから4回にわたって行います応用概論は、もうちょっとポーズを付けてみよう、そして、そのようなポーズの付いた素体を描けるようにしようというお話です。


おっと、素体が何なのか分からない方については第二回の講義録をご覧ください。

 

 学習の方法としては、実際に一つの作品を作っていくという過程を追う事で、素体の動かし方について学んでいきます。作ると言っても、主目的は動きのついた素体の描き方ですから、ペン入れ等はせず、素体までで終わりなのですが。。
 ちなみに、興がのれば同じように描いて行っても良いですし、ふむふむ分かったと自分でいろんなポーズを試すというのもアリでしょう。

 


はじめに~これから描く絵の話

 では、応用概論をとおして描いていく絵を見てみましょう。それは、下の図のようなものです。

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 ざっと見て、「こけている人物」、「後方でそれに反応して走り寄りかけている人物」、「後向きの人物」の3人です。こけている人物で角度のついた「俯瞰」を(こけるというのは事実上、上から見たようなものです)、後ろ向きの人物で「背面」をやろうと思います。反応している人物は、……特に難しいことはなさそうですね。まだ、素体基礎の方が、若干角度がついていた分難しかったかもしれません。ウォーミングアップということで、最初はこの人物を描こうと思います。数字が振ってますね。これが描いていく順番です。

 

 そうそう。応用概論は4回なのに4がないと疑問に思われるでしょうが、応用概論Ⅳでは、ここに描き切れなかった「アオリ」をやろうと考えています。


 では、始めていきましょう。

 


下準備~設計図を描こう

 まず、仮定として、この段階は「いろいろ落書きをしてみて、これはと思う構図を見つけたのでイラストに仕上げていく」という状態だと考えてください。
 ということで、きちんとしたものを描いていくにあたり、まずは下準備です。何をするのかと言えば、「描くポーズの設計図」を作ります。ポーズの側面図(できれば正面図も)を描くのです。

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 いきなり変なことやらせるなぁとお思いでしょうが、これが中々役に立つのです。と、申しますのも「うまく描けない」というお悩みの原因は、結構な割合が「そもそも、そんなポーズ物理的に無理」というモノなのです。実際に描いていく場合の設計図として使う他、この様に「ちゃんと成立するか」の確認ためにも描いておきましょう。
 正面・側面図はパースが付いていませんし、真正面と真横から見たものなので「今から描こうと想像している絵」よりずっと簡単なはずですが、それでも上手く描けない、と言う場合は、鏡の前でポーズをとるか、デッサン人形をそのポーズにして、正面・側面から見て書けばよいでしょう。

 


胴体を描こう

 もちろん、どこから描き始めても良いのですが、素体基礎と合わせることにしましょう。それでは、胴体から描いてみます

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 上の図では、胴の描き順がちょっと特殊です。と申しますのも、元来は、胸郭と骨盤の傾きを再現した後、パーツを回転させるというのが順当なのですが、パーツを回転させるというのは意外と難しく、特に傾いたパーツを回転させる……ということに至っては角度によって難問になってきます。そこで、傾いていない状態で回しておいて、それを傾けよう、という趣向なのです。

 

 おっと、上の図で、体のねじり方について出てきましたね。下の図で補足します

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とはいうものの、体をひねりを描くのは難しく、上図で記述した通り「肩と股関節さえ捻っておけばそれっぽく見える」のも事実です。ということで、私は「ひねらない!!肩と股関節にまかせる!!」で良いと思いますよ。

 


脚を描こう

 さて、胴体はこれで完成、お次は足です。ですが、実際に描く前に、今回描く絵を見てください。内股になっていますね。内股を再現するには、標準素体の膝パーツを少し変える必要があります

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 ここで補足しておきますと、漫画符号というのは、ようは誇張です。それが、長い間かけて定型になっているのです。ですから、実際の人間のあり方とは違う場合も多々あるという訳です。

 

さて、では実際に足を描いてみましょう

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 さて、素体基礎ならばここで完成なのですが、今回からは新機軸として、直線で構成していた足を曲線にし、そして足先パーツを改良するというのを行います。

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腕を描こう

 お次は腕です。ここはほぼ素体基礎と同じ内容ですね。

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 上の図でも説明しましたが、このような軽い上体ヒネリの場合、「体をひねって、更に肩をひねる」という必要はないでしょう。どっちかで良いと思いますよ。

 


頭を描こう

 さて、今度は頭を描きます。これも素体基礎とほぼ同じです。

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補足~素体の調整

 さて、胴体から始まって、頭と来て、主な物はこれで終わりなのですが、第六回で行いました素体の調整をやってみようと思います。もちろん、これは皆さんは特にやる必要もありません。

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 なかなか長丁場でしたね。最後に上で行いました調整まで含めて、全部組み立ててみましょう。下の図のようになりました

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 さてさて、今日の講義はこれで終わりです。次回は「応用概論Ⅱ」で、こけている人物を描いていきます。ところで、そろそろ素体基礎の繰り返しになるところは省いていきたいところですが……。
それでは、また次回お会いしましょう。