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洞田創研究室

洞田創(とだはじめ)のブログです。只今、スケジュール的な問題で浮世絵(風イラスト)の作成依頼の受け付けは停止しています。ご迷惑をおかけしております。その他、ご用のある方はhajime_toda☆yahoo.co.jpまでご連絡ください。(☆を@にしてください)

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【お絵かき講座】キャラ絵の描き方基礎~第十三回下書き概論Ⅰ裸体

キャラ絵の描き方基礎(頭の固い人向け)第十三回 下書き概論Ⅰ~裸体

 

 夏になり、終わりも見えてきました本講座「キャラの描き方基礎」です。今まで、アタリの描き方をお伝えしてきましたが、今回から2回は下書き概論として、アタリからペン入れ一歩手前の下書きに発展させようという内容です。


 十三回目の今日は、その下書きの内、服を着ていない状態、すなわち裸体を取り扱います。なお、十四回目は服を着た状態の下書きになります。
 とはいえ、裸体を描く場合というのは、ある用途以外では、ほとんどないのですが……。では、なぜ着衣の描き方の前にそれをするかといえば、着衣より難しくないというのが、その理由です。


それでは、さっそく始めていきましょう。

 

 

 

はじめに~復習 アタリとは何なのか?

 私たちはこの講座の大部分を使って、素体(アタリ)を描いてきました。この素体とは何なのか、内容に入る前に、もう一度確認しておきましょう。


 少なくともこの講座にとっては、「アタリとは、人(キャラクター)の概略を描いたものであり、絵を描くための補助となるもの」です。第二回で説明したようにデッサン人形を二次元に写したもの、とも考えることができます。


 つまり、あくまで概略です。ここが重要で、特に今まで描いてきました広文メソッドの標準素体というのは、多くが直線や簡単な図形によって構成されていましたから、実際の人体とはズレが生じています。理由は実にシンプルで、実際の人間(キャラクター)は箱や球によって構成されていないためです。


 と、なると、下書きを行う場合、素体の線をそのままなぞる訳にはいかない、ということになります。そして、素体の線は、「参考にはなるが間違っているモノ」「参考にしてはいけない間違っているモノ」に分類されます。
 「何か、めちゃくちゃなことを言い始めたな」と思われたと思いますが、まあ、とりあえずお聞きください。それでは、素体の注意すべき「参考にしてはいけない部分」をまとめてみましたのでご覧ください。

 

 

 

 

素体の参考にならない部分を確認しよう

 

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 よろしいでしょうか。胴体の角と関節部分に集中しますね。関節については、可動部分は複雑になっているのでこのような結果になります。


 その、関節のリアルな描き方なのですが、残念ながら単純化することができません。ですので、ココよりメソッドの役割は終わり、私たちは慣れ親しんだ数字や割合や作図の世界から離れることになります。
 と、いうのもココを上手く描こうとする最短最適な方法は、「実際の人体を見て描く」ということになるからなのです。


 鏡を使って自分の関節を見て見たり、筋肉の動きを確かめたり、あるいは、写真集を使ったり、解剖図を見て見たりしてもOKですが、とにかく「参照する」という行為が必要になってきます


 「面倒くさいなぁ」と、思われるかもしれませんが、その実、これを一回もしたことがないイラストレーターは存在しません(多分)。

 

 しかし、そうはいっても「これからは、実際の人体を見て描く。以上。」では、多少不親切ですので、この魅惑的に千変万化する関節部分の、「人体を参照する場合の注目するポイント」をご説明することが、今回の下書き概論の内容となります。

 

 では、まずは頸部からまいりましょう

 

 

 

 
頸部のポイント

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 ちょっと迷ったのですが、筋肉等を示す模式図は、デフォルメを利かせた漫画デッサンとすることにしました。というのも、皆さんは他のちゃんとした解剖学の参考書等にあたるでしょうから、同じものを描くよりは……と言う訳です。

 

 

 


胴体のポイント

 胴体に行きましょう。まずは、下の模式図をご覧ください。

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 筋肉を理解することは、正確な描写につながりますが、完全な筋肉の理解が、イコール完全無欠の画力……という訳でもありません。
 「〇〇筋肉は△△を起点とし……」ということを丸暗記しなくても、そのポーズポーズで人体を参照していればOKでしょう。そして、「ああ、ここはこうなっているのか」という知識をゆるゆると貯めていけば良いのではないかと思います。

 

 では、引き続いて描写のポイントに行きます。肩の部分が中心ですが、肩は「生のまま」の素体だけでは想像が難しいので、補助線を引いて、参照しやすくします
そのまま描ける、という方はやらなくても大丈夫ですよ。

 

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 三角筋と大胸筋の線を引いて、人体や解剖図と参照しやすくしましたここらは適当に描いて大丈夫です。どうせ、下書き完成後には消しますしね。
 ちなみに、標準素体の胸部(つまり、箱型)は、そのままでも胸郭(骨)+ある程度の大胸筋を表現しています。すでに胸板の一部を加えた状態なのですね。ですから、引いた線というのは、「ここに大胸筋を付けていくよ」というよりは、「箱の、この部分は大胸筋だよ」という境目の線となります。もちろん、大胸筋を盛っても何の不都合はない訳でして、特に筋肉質キャラの場合は、この後の下書きなどで筋肉を盛っていくことになるでしょう。

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 ということで、下書きの線を入れました。図にも描いていますが、これは下書きの一例です。こういう風に描け!!という訳ではないので、自分の作風に合わせて描いていってください。これはちょっとリアルっぽくなってしまいましたが、ガチガチのデフォルメをかけるのも楽しいかもしれませんね。

 

 それから、胴体に関して、「焼き餅型素体」で描かれている場合は、より下書きの線がイメージしやすくなるでしょう。

 

お次は、腕部に行きましょう

 

 

 

 

腕部のポイント

 腕部や脚部に関しては「パーツ同士を曲線でつなぐ」方法を取っておられる方は、修正部分が少なく、球体で表現されている関節部分の修正が主になります
 また、前腕部は掌をひっくり返すというダイナミックな運動が出来るため、尺骨と橈骨が交差するという複雑な機構を持っていますが、骨の移動をシミュレートする必要はなく、そのポーズポーズで人体を参照すれば問題はありません

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 関節の形状を描写する際の解決策は、「本物にあたる」という身も蓋もないことを言ってしまい、申し訳ない限りなのですが、実際、頭の中で複雑な形状の骨や筋肉の動きを想像するより、その方が手っ取り早いのです。

 

 

 

 

腰部のポイント

 腰部です。服を着ている状態であれば、腰部の線が出ることはあまりなく、描写をする機会があまりない部位とも言えます。

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 腰は重要な部位である所以でしょうか、図のように、腰はあまりに色々な筋肉があり、この筋肉を一つ一つ覚えて描写していくというのはあまりに手間です。この講座は「キャラ絵の描き方“基礎”」であり、初等学習者向けなのですから、出来るだけ簡易な方法が求められます。


 そこで、本物にあたるという原則を逸脱してしまいますが、素体と親和性が高く、なおかつ素体より外形が人体に近い球体関節人形」の形を真似することで、描写の補助とします。それによって素体の骨盤パーツと太ももの付け根の球の間にある大きな隙間を埋めてしまいましょう。


 後は、好き好きで筋肉の盛り上がりなどを足していけば、それっぽくなりますよ

 

 おっと、脚の付け根の球が奥に描かれている問題ですが、皆さんの中には「わざわざ下書きの時に修正しなくても、あらかじめ素体を描く時点で前に持ってきておけば良いのじゃないか?」と思われた方もいると思います。


それは、実にそのとおりで、素体の3種の脚パーツ、すなわち脚の付け根の球、膝の球、足首の球が描きやすいようにと一直線に並んでいたのは遠い昔。私たちは第七回から膝の球パーツをなんやかんやで移動させてきました。それなら、もう脚の付け根球だって動かしてしまえば良いのです。
 第六回で「ニュアンスで自由に足パーツ配置し、複雑な輪郭線を描けるようになるまでは―――」と予告しましたね。今がその時です。

 

 動かす程度については、下の図に描いておきましたのでご参照ください。2種類用意しておきました。
 脚の付け根の球が動いた場合、膝や足首のパーツの配置に迷うのは直立状態の時ぐらいでしょうが、(動きがあると関係なくなります)標準配置の球の中心点がある場所に印をつけておけば、その問題もクリアできるでしょう。下の図の場合だと、緑色の点を把握しておけばいいわけですね。

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※脚の付け根球の前移動の他、膝の下部分パーツ+足首パーツの後ろ移動(第十回参照)も行っている。

 

 

 

 

脚部のポイント

 さて、最後は脚部になります。脚部は腕部と同じような感覚の物であり、パーツを曲線で結んでいれば、後は、関節の形の修正が主となります


 ただ、脚の特殊事情として、素体だとまっすぐについていた膝関節の向きを、下図のように若干角度をつけたものに修正しなければなりません。この修正の方法は2つあり、球として表現したパーツをほぼ無視する形で修正するか、もしくは、あらかじめ、膝の関節球に角度をつけておくかです。

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 とはいえ、②の方法でも、多少、膝パーツの形は修正する場合があるでしょう。修正する「必要」ではなく「場合」などと、ちょっと歯切れが悪いのは、私自身が「まあ、コレでいいか」と膝球パーツをほとんど修正しない場合があるのです。角度によってはそのまま許容範囲になることがあります。


 おっと、足首、または足に関しては、自分の足などを見て修正して頂く方法がてっとり早いかと思います。

 

 

さて、これで主なポイントを説明し終わりましたので、今回の講義は終わりとなります。この他にも多くのポイントはあるのですが、それを言ったらホントにきりがなくなりますので。。おっとそうそう。とりあえず、最後に最初にお示しした全体図を使って下書きした物を置いておきます。

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 次回の講義は、下書きのうち、服を着たものの描き方となります。とはいっても、幾千もの種類がある衣類を全部は説明しきれないので、今回の様に、主な物とその描き方のポイントという事になるかと思います。

 

 それでは、次回の講義でお会いしましょう。