洞田創研究室

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落書き(4/27)

 こんばんは。洞田です。

 

さて、今日もpixivに出した落書きを置きますね。

 

〇人魚に見立てたるカタチ

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浮世絵の定型の一つで、裾がこう、金魚の尾びれのように広がるのがあるのですが、そこからの着想です。

 

ところで、右側の文は、

浮瀬(うかむせ)は七合五勺の波間かな

でありまして、どういう意味なんだという話なのですが、この「浮瀬」とは、かつて大阪に存在した料亭「浮瀬」の、名物と言われた巨大な酒器のことであります。

そしてその酒器、実は瀬戸物や塗り物ではなく、巨大なアワビ貝を利用して作られた貝盃という代物で、酒が七合五勺も入るものだったとされています。

 

キャラが持っている巨大なアワビ貝はそういう訳なんですね。

 

 

あ、そうそう。どうってことのない話ですが、題名にも使いました「見立(みたて)」という言葉があります。これと「やつし」というのが、浮世絵の絵のお題や遊びで良く使われるものなのですが、この違いのお話を少し致しましょう。

 

まず、「見立て」は「あるモノを別なモノと見なす」というものです。現代でもAをBと見立てて~という言い方がありますが、その用法そのままなんですね。上の絵も「女性を人魚と見立てる」という訳です。

若干、ずれが生じているのは「やつし」です。身をやつして~のやつしなのですが、これは、「昔の著名な、また、高尚なモノを卑近なモノで代替する」みたいな感じになります。見立にかなり近いのですが、上下関係が生まれているという点に違いがあります。

 

つまり、落語家が、扇子でキセルを表現するのは「見立」で、天女を女子高生にするのは「やつし」という訳ですね。

 

ということで、ごきげんよう。