【お絵かき講座】キャラ絵の描き方基礎~第十二回応用概論Ⅳアオリ
キャラ絵の描き方基礎(頭の固い人向け)
第十二回 応用概論Ⅳ~アオリ
今回は講義の前に、今までの経過を振り返ってみましょう。これまで補講を2回挟んでいますが、4回の素体基礎と3回の応用概論を行ってきました。素体基礎も応用概論も要は、素体(アタリ)の描き方を学んでいこうというものであり、今日は応用概論の最終回、言わば素体(アタリ)の描き方の最終回です。
おっと、素体が何なのか分からない方は第二回の講義をご覧ください。
それから、次回からの2回は、下書き概論と称し、アタリを下書きにしていく……つまり、ペン入れ一歩前にしていく作業のやり方となります。
さて、本題に入りますと、今回のテーマは「アオリ」についてです。これは素体(アタリ)の描き方のうち、下から見上げた構図を描いてみようというものです。
では、始めていきましょう。
はじめに~描いていく構図について
まずは、下図をご覧ください。今回は、この構図を描いていこうと思います。ちょっとだけ下から、というよりも、もう、一気に足裏が見えるまで視点を下げた方が良いかなということで、こんな感じになりました。
とはいえ、ここまでの急な角度を使う事はまれですね。顔もみきれますし、イラストではあまり見かけません。漫画では、インパクトを与える場合等に見かけるぐらいです。
……ちなみに、ある用途の漫画に限って、アオリの構図が相当あるのですが、その話はまあいいでしょう。
準備~設計図を描こう
落書きをしていて、「これは良い構図だな」と感じ、それを一枚のイラストとして仕上げる、という場合、それが複雑な構図であれば特に、実際に描いていく前の準備として、設計図を描いておくと後々はかどるでしょう。
設計図と言っても、ポーズを真正面と真横から見た概略を描くだけです。これを描く目的は、①イメージしたポーズが成立するか確かめる(時折、人間には不可能なポーズを想像している場合があります)②描く時の参考とする、です。
ただ、今回はご覧のように単なる棒立ちですから、描かなくても特に問題はないでしょう。
また、描いた設計図に関して、これはあくまで目安みたいなものですから、絶対視する必要はありません。完成形と違ってしまうのは当たり前です。
胴体を描こう
それでは、まずは胴体から描いていきます。もちろん、本来何処から描いてもかまいません。今回の構図ですと、足先から描く人も多いでしょうしね。また、この胴体の描き方については、詳しくは第三回を参照してください。
脚を描こう
お次は脚です。応用概論恒例の、おためし線方式です(第七回参照)。また、今回の構図ではパースはあまりかけていませんが、劇的な印象を与えたい場合は、手前になるほど、脚のパーツを派手に大きくしていけば良いでしょう。
ちなみに、上の図でも説明していますが、脚の曲線は可動式フィギュアが参考になるでしょう。この素体自体が、球体関節人形に似ていますので、親和性があるのです。
腕を描こう
腕に移ります。下の図では右腕の隠れた部分まで描いていますが、そういう事はあまり必要ありません。見えている部分だけ書けば十分でしょう。
ちなみに、腕の描き方の原理について、詳しく知りたい場合は第五回をご覧ください。
頭部を描こう
頭部を描きます。……と、ここで問題発生です。元々、メソッドの標準素体はアオリに弱い(描けるけど、かわいくなくなる)という特徴があり、今回は足裏までバッチリ見える急角度のアオリです。そこで、「このキャラは下を向いていたんだ!!」という事にして、下を向いてもらいました。
腰回りを調整しよう
素体としては、概略が出来れば良く、あとは下書きで肉付けしていけば事足りるので、これで完成なのですが、最後に自己満足的な調整、腰回りのパーツの改良を行います。ですので、皆さんはこれをする必要は特にありません。
第十回で説明しました臀部ですが、下から見ると、このようになっています。まあ、股下が見えるようなアオリなんてそうそうありませんので、特に必要もないのですが。。
ついでに補足しておきますと、脚に描きこんでいるように見える「太ももと臀部の境目の線」(第十回参照)は、脚に引かれた線へと考えるより、独立して骨盤にぶら下がっているモノだと考える方が都合が良いようです。ただ、脚を動かすとそちらの方に多少引っ張られますが。。
とはいえ、この絵では関係ないですね。
さて、続いては、太ももの調整になります。
前回と違う所は、内股になった場合、太ももの角も内側に寄る、ということが実装されたという点なのですが、角が内側に寄るとほとんどの場合、輪郭線に影響を及ぼさなくなるので描く必要がなくなります。つまり、描いたのは自己満足と言う訳です。
……まあ、ともあれこれでパーツが揃いましたので、これを合わせて最後としましょう。
これで、今日の講義は終わりです。いかがでしたでしょうか?
最初にご案内した通り、今日でアタリの描き方は終わりです。次回からは、下書きの描き方に移ります。
それでは、次の授業でお会いしましょう。