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洞田創研究室

洞田創(とだはじめ)のブログです。只今、スケジュール的な問題で浮世絵(風イラスト)の作成依頼の受け付けは停止しています。ご迷惑をおかけしております。その他、ご用のある方はhajime_toda☆yahoo.co.jpまでご連絡ください。(☆を@にしてください)

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【お絵かき講座】キャラ絵の描き方基礎~第二回 アタリから始めよう

お絵かき講座 アタリ

キャラ絵の描き方基礎 第二回 アタリから始めよう

 

 さて、皆さんおはようございます。履修登録は済ませましたか? 大学の単位は必修とか必修選択とか分かりにくいと思いますが、取り逃すと一年お預けになりますから注意してくださいね。


アタリとは?

 まあ、そういう話はおいておいて、今日の内容に入ります。みなさんは「色は塗らないで良いので、一枚の人物イラストを仕上げろ」と言われた時、どういう手順で描かれますか? いきなりペンの一発描きというアーティステックな方もいますが、一般的には「人体の目安となる簡単な下書きを描いて、それに肉付けしていくことで精密な下書きにし、ペンを入れる」という方法をとります。

 

 この簡単な下書きのことを「アタリ」と言います。アメリカのゲーム会社の事ではないですよ。絵を描くという行為においては、少なくともこの講座においては、アタリこそが全ての基礎です。ですから、この講座もアタリの描き方から始まります。そして、アタリを描くという事は、人体をシンプルに描くということなのですが、棒人間ですませる人もいるものの、ちょうど、市販のデッサン人形ぐらいの単純さで描くのがメジャーです。


 デッサン人形……使い方の分からない美術系道具第一位に輝くものですね。これはポーズを付けて遊ぶためのものではなく、本来は、絵を描くときに人体のバランスを確かめるためのものです。人体を単純化しているのは余計な情報に惑わされないためでもあります。まさに、アタリを三次元に起こした、というものなのです。

 

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 さて、アタリ=デッサン人形とするならば、アタリを描くということはデッサン人形をスケッチすることに他なりません。ですから例えば、描きたい構図どおりにデッサン人形を配置し、それを写真にとり、その写真を紙に写しとればアタリになるはずですが……実際、その方法も一つの正解なのです。ですが、この方法は少々迂遠でめんどくさいものです。自分の描きたい構図通りにパースを合わせるのも面倒ですし、ピントが合うように調節しないといけないし、写真を現像したり、パソコンに取り込んだりする手間が出てきます。それに、なにせあくまでアタリなのです。複雑な構図は別として、単純なものぐらいはもっと手軽にパパッと描きたいものです。


彼はなぜうまく描けるのか?

 パパッと、というと、世の中には、デッサン人形を使わずに複雑な構図を想像だけで軽々と書いてのける人、いますよね。その方に「チクショー!! どうやって描いているんだ。コツを教えやがれ!!」と迫っても、大体の場合、彼は「コツなどはない!! 俺は血を吐くような努力の結果、この画力を習得したのだ。お前はその努力をしたのか?」と言い返されます。ぐぅの根もでない正論とはこの事。あ、いえ、そこまで性格は悪くないかもしれませんが。
 ここで、考えてみましょう。彼は血の出る努力をして、何をしたのでしょうか?

 

 その答えは、「頭の中にデッサン人形をねじ込んだ」です。
 物理的にではありません。デッサン人形の色々なポーズを細部まで自由に想像できるという意味です。その頭の中のデッサン人形を紙面に投影し、アタリにおこして描いているのです。結局、デッサン人形は使っていて、それがエアデッサン人形となっているだけです。それを知らないと、ペン先からまるで魔法の様に人物がわき出てきたように見えますが、ようはこういう仕掛けです。これが、いわゆる「絵の上手い人」のやり方です。

 

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 では、初等学習者としては、「デッサン人形のねじ込み方」さえ分かれば……と考えるのは人情ですが、少々難しい話です。これは、煽られた通り「血を吐く努力」をして得られるものです。何せ、自分を3DCAD化するという行為です。膨大な計算を頭の中でしているようなもので、そうやすやすと残り13回の講義を聞くだけで出来るとは思いません。

 

 そこで、広文メソッドでは頭の中に入れないこととします。頭の中で考えるのは、あくまでパーツ単位。それも丸や立法体などの単純なパーツです。複雑な計算を頭の中でする必要はありません。紙面上で考えましょう。せっかく紙があるのですから、わざわざ暗算をすることはないのです。


広文メソッドの利点とは

 さて、おおよその理論は分かりましたでしょうか? 広文メソッドの利点は、誰でも立体的なアタリをかけるようになることです。現時点でピンと来なくても大丈夫ですよ。上述を何度も読み返して意味を完全に理解しようとする必要はありません。大したことは言っていませんし、講義が進んでいったら「あのデブメガネの言っていたことはこういう意味だったのか」と把握できます。

 

 では、ここで、その紙面上で作り出すアタリをご紹介しましょう(下図)。美術用のデッサン人形とは結構形が違いますね? そこで、メソッドでは「素体」と呼称します。素体はフィギュア用語で、製作のもとになる人形のこと。もとになるだけあって、単純な形をしており、キャラ絵を描く人の中では、デッサン人形の代わりとして使う方が多いのです。デッサン人形代わりという事ですから、この名を援用します。

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 さて、素体をご覧いただきましたか? とりあえず、骨盤が大きめ。女性型の素体です。一番需要が多いですから。角ばった感じで全然女の子らしくない? それは許してください。あくまでアタリなのです。完成した絵がちゃんと女の子だったら、それでいいじゃないですか。それに、体のパーツ全ての割合をキリのいい数字にするために、結構無理をしたんですから。

 ちなみに、気づかれた方も多いかもしれませんが、これは、実際の人体のバランスとは少し違います。一番分かりやすいのは頭がとにかく大きいという所でしょうか。というのも、この講座はアニメ・漫画風のキャラクターを描く講座なので、それ風のバランスになっています。みんな大好き日曜朝8時30分の女児向けアニメのキャラクターの比率を参考にさせていただきました。いわば、プリキュア算ですね。

 

 次の講義からは、実際にこれを描いていくという作業に入ります。そうそう、あらかじめ言っておきますが、もちろんこれを「限界まで模写しろ!!目をつぶっても描けるようにしろ!!」と言うつもりはありません。それでは血を吐くような努力と同じです。この講座ではそれを課すことはありません。各パーツは球体か、直線か、立方体をあるキリの良い割合で切ったり足したりしたものですから、基本となる球や立方体をいじっていくことによって描いていきます。作図に近いイメージで捉えられるといいかもしれません。もちろん、やり方や割合も意識して覚える必要はありません。そういうのはこの講義録をプリントアウトでもしておいて、横に置いておけばいいですからね。当初は「やり方を見ながら描ける」で良いのです

 

 それでは、今回の講義はこれまで。次回から4回は素体基礎として、素体の描き方をご紹介します。最初は25日、「素体基礎Ⅰ~胴体」です。