制作過程のようなもの(版下絵)
先週は更新できずじまいで誠に申し訳ありません。
さて、このブログにおけるネタ絵の芸風(「現代の事物が過去に描かれていた」というスタンス:タグ研究及び成果物参照)からすると、制作過程のモノを出すと矛盾が生じるのですが、この際気にせずに出してみます。
上の絵が、線描の状態のものです。この後は、色を付けるだけです。下書きの段階を見せろよ、と特にpixivから来られた方はお思いになるでしょうが、お許しください。。下書きの状態は「コレは何を描いているのか?」というぐらい雑多でごちゃごちゃしていて見せられたものじゃないのです。
この、線描の状態を浮世絵風に言えば、「版下絵」ということになります。本来の版下絵の場合はこのあと版木に糊付けされて版下絵ごと彫られるのでなくなってしまうのですが、これは木彫を用いませんので残ります。デジタルの勝利ですね。
ちなみに枠が変な形になっているのですが、これは団扇絵というもので、団扇に貼るために作られた様式です。黒い線で引かれた枠は、団扇の外形なんですね。ただ、ハサミで切り取って貼るそうなのですが、知ったかぶって説明する割に、こんな横幅が広く、側面が直線になる団扇ってあるのだろうか、という素朴な疑問を持っています。さまざまな大きさの団扇に対応するため余分に大きく作っておいたよ。という事なのでしょうか。不勉強のせいで、こういった、「書いててなんだけど……どうしてこういう描写・様式なのかよくわからん」というのは良くあります。
ちなみに、絵柄は東京湾アクアライン(海ほたる)です。「東都ノ巽海蛍寺名生」は「東京の南東にある海ほたるなう」というぐらいの意味です。
……あれ、なうって今でも使うよね??(必死