遊べる!浮世絵デッサン人形 21C 館林
本日紹介するのは、浮世絵「起里合代算人形(キリアワセダイサンニンギョウ)」(文化八年 1811)である。
これは、玩具絵(オモチャエ)の一つで、これを切り離して組み立て、人形を作るものであるが、他の物が子供用の玩具であるのに対し、これは大人、特に絵師が使う物であった。
これが作られたのは文化時代であるが、それは寛政の改革後、町人文化が復興してきた時期である。浮世絵もまた、その波に乗って多くの需要が生まれていたが、しかし、前時代の浮世絵抑圧政策のため、絵師不足が深刻化していた。
江 戸時代、絵師は他の職業と同じく徒弟制により育てられ、一人前になるには長年の研さんを必要としていた。しかし、迫りくる需要の波に応えるためには、絵 師も絵も量産する必要があった。そこで、このような人形を「型」として使う事が考案されたのである。すなわち、代算とは、「自分の代わりに構図等の計算を してくれる」という意味である。
本来、このような作品は消費されることが前提のため、現物が残ることは極めてまれであったが、この度、館 林大学下根田コレクション整理中に偶然発見された。(下根田正義名誉教授は、春画の一つとして秘蔵していたようであり、その使い方についてご高説をたれて いたが、氏のあだ名はフロイトじじいなのでおそらく間違いである)
そこで、館林大学文学研究センター(LRC)および地域コミュニケーション課では、「起里合代算人形(キリアワセダイサ ンニンギョウ)」を元に、「遊べる!浮世絵デッサン人形」を制作し公開する運びとなった。
館林大学文学研究センター(LRC) 館林大学地域コミュニケーション課
20150707
※作り方は絵の下にあります。