浮世絵小豆磐(あずきバー) 19C東京
今回ご紹介するのは、連作浮世絵『古今菓子之内』の中の一つ、「小豆磐(アズキバン)」である。
これは、古今の菓子の紹介するという浮世絵のシリーズであり、「小豆磐」というのは、小豆を冷やし固めてつくった、江戸時代の夏の定番菓子のことである。
さて、この小豆磐は「磐」と描く通り、相当固かったようであり、また、それを売りにしていたようである。それは、左上にある「黒鉄にまさりてかたし小豆バ ん」という歌に端的に示されているだろう。また、他の文献には「小豆磐により歯がかけた」等の記述がみられるが、にわかには信じがたい事である。
また、そうなると、下の絵は、真面目な製法というよりは「鉄より固い」という文句から、「鍛冶屋が鉄を打つ姿」で小豆磐を打つという洒落であるのかもしれない。
これ、なんかすっごい久しぶりな感じがします……(笑)