洞田創研究室

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掛軸『大兄鞠尾命御尊像(おおえのまりおのみことごそんぞう)』 18C日本・京都

(発表 2013.1)

今回ご紹介するのは、『大兄鞠尾命御尊像(オオエノマリノオノミコトゴソンゾウ)』である。これは、ある地方の旧家に伝わっていた掛け軸で、描かれて いる神の姿は、一見大黒天にみえるが、右手に茸を、左手に炎の出る宝珠を持ち、さらには亀のような竜のような動物に乗っているため、別の神と考えられている。
所蔵家の言い伝えでは、江戸時代に、先祖の夢に現れた神を描かせたものだということで、家業の守護をしてくれるものらしい。
ただ、絵解きの和歌、

”おの(斧)”が身の ゆ”たけ(茸)”き年は”よろづ(万=亀)”よに
願ひは”如意の宝珠(如意宝珠)”なりけり

というものも伝わっており、これを考えると、ただの語呂合わせの吉祥画である可能性も捨てきれない。
なお、この神は兄弟神であり、もう一幅、緑色の衣をまとった神が描かれたものがあるということである。ちなみに、所蔵家は現在、大工、配管工、医療、レース場経営、ゴルフ場経等々の事業を幅広く展開している。どうやら、かなり御利益のある神のようである。

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