洞田創研究室

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『うろ覚え草紙』より二才病(ニセビョウ)

今回ご紹介するのは、『虚覚草紙(ウロオボエゾウシ)』より、「二才病(ニセビョウ)」である。
『虚覚草紙』は、幕末の安政七年に出版された一種の予言書であり、未来に行ったと主張する絵師、歌川芳細(ウタガワヨシコマ)によって書かれたものである。

さて、この「二才病」は若者が多く罹患する病ということであるが、下記に本文の現代語訳を載せる。

(現代語訳)
二 才病は、その名のとおり二才(若者)が罹る病気である。これにかかると、邪眼持ちになっただの、あるいは手から漆黒の炎が出るなどと言って騒ぎ立て、ま た、紙に見知らぬ国の地図を殴りがいては己の領地だと言い張り、不思議な呪文を書き綴る。はなはだ迷惑であるが、やっかいなことにこの病には薬は効かな い。だからといって祈祷をしようものなら、ますます症状は悪化するのである。
時が来れば治るものであるが、実は手早く直す方法がある。周りの者が徹底的に無視を決め込むのである。すると、本人はしゅんとして元に戻る。まるで、元から病気にかかっていなかったかのようであるから、これが「にせ(偽)病」とも言われるゆえんである。

※本作は『平成うろ覚え草紙』(飛鳥新社 洞田創 9月24日発売)には収録されていませんよ。

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